Nostalgicな祭りのあとで
コンコン。
小さなノックが響き、白髪で少し恰幅のいい老人が顔を覗かせた。
現町長の真山だ。
「息子は自慢の息子だ。」
「・・知っとるよ、わしの教え子じゃから。」
「甘やかし過ぎたのかもしれない。私は、町のことばかりで・・あの子にかまってやれなかった。そんな負い目が、あの子を歪めてしまった。」
真山町長は、コトリと植木鉢を置いた。
立ったまま枯れた、観葉植物だった。
「・・・すまない。私の責任だ。」
それは日高守が託したものだった。
山の周囲一帯の分析データを携えて、直談判にきたのだ。
半信半疑の真山の前で、採取した土に入れ替え、川の水をやった二日目の今朝、大きな葉はすべて茶色に変色してしまった。
「今しがた山に行ってきた。車道から覗いてだが・・すさまじい光景だった。」
「わしらぁ、なんも見とらんかったんじゃなぁ。ちゃんと見えたはずのもんを。」
小さなノックが響き、白髪で少し恰幅のいい老人が顔を覗かせた。
現町長の真山だ。
「息子は自慢の息子だ。」
「・・知っとるよ、わしの教え子じゃから。」
「甘やかし過ぎたのかもしれない。私は、町のことばかりで・・あの子にかまってやれなかった。そんな負い目が、あの子を歪めてしまった。」
真山町長は、コトリと植木鉢を置いた。
立ったまま枯れた、観葉植物だった。
「・・・すまない。私の責任だ。」
それは日高守が託したものだった。
山の周囲一帯の分析データを携えて、直談判にきたのだ。
半信半疑の真山の前で、採取した土に入れ替え、川の水をやった二日目の今朝、大きな葉はすべて茶色に変色してしまった。
「今しがた山に行ってきた。車道から覗いてだが・・すさまじい光景だった。」
「わしらぁ、なんも見とらんかったんじゃなぁ。ちゃんと見えたはずのもんを。」