Nostalgicな祭りのあとで
カタカタカタ・・・

静かな夏休みの夕方の校舎。
教頭は独り、パソコンに向かっていた。

教師になって数十年、色んな学校を転々としてきた。
東京の進学校にいたこともあった。

あの頃が、もっとも充実した毎日だったと今も思う。

こんな田舎に赴任したのは何かの間違いだと思っていた。
けれど、次第に役職につくうちに、夢を得ていったのだ。

この学校を理想のものに変えていく、それこそが自分に与えられた使命だとも思った。
にもかかわらず、ここの校長とは意見が合わない。
不満は募るばかりだった。
けれど。

教頭はほくそえんだ。
「新しい学校では、私がトップだ。このつまらん町を、私が有名にしてやろうじゃないか、フ、フッフ・・・。」
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