Nostalgicな祭りのあとで
真山はマイクに向かって叫んだ。
「もはや地産地消は見込まれない。輸入物が国内の6割を占める中、農業では生きていけない。ならば、我々にできることは何か。ゴミの町?とんでもない。社会貢献ともいえるこの仕事を、私は誇りに思っています。」

最後の言葉にかぶさるように、やまじいが叫んだ。
「お前の誇りとは何だ!」

教頭は力任せに押さえ込もうとしたが、ヒョロリとした腕でかなうはずもない。
あっさりと振りほどき、やまじいは舞台へと進みながら訴えた。

「山を壊すことが、自然の歯車を歪めることが、どんな影響をおよぼすか考えたことはあるのか!」

激しく音を立てながら舞台の上へ上がっていく。

「お前のしたいことは、本当にこんなことなのか、答えろ!」

真山は真っ直ぐに睨み返した。
「頭がおかしいんじゃないのか。出て行ってくれ、邪魔だ。」
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