Nostalgicな祭りのあとで
ざわめきに呼ばれ、次々と観客が館内に集まってきた。

「・・・わしから、奪わんでくれ。」
やまじいは震えるように言った。
「子供達から・・この町から未来を奪わんでくれ、頼む!」

泥で茶色く変色したボロボロの服をまとい、血の混じった額を床につける。
そんなやまじいに大樹が叫ぶ。

「何でだよ、じいちゃん。そんな奴に頭なんか下げないでよ!」

やまじいは動かない。

「やめてくださいよ。私が悪いみたいじゃないですか。ゴミを処分していたのは、好意からなんですよ?」

「もう、やめろ・・、やめてくれ、真山。」
やまじいと真山の間に、陸の父・守が立ちはだかった。

「・・やまじい、あんたの桜が危ない。」

やまじいは顔を上げた。
守はぐっとこぶしを握ると続けた。

「皆さん、聞いてください。私の話を。」
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