Nostalgicな祭りのあとで
ザァアアアアッ。
風が二人に向かって舞い上がった。
遠くでかすかに聞こえる音楽とともに。

陸が体勢を整える前に、大樹は飛び出していた。
「やめろーーーーッ!」

チェーンソウが、幹に触れようとしていた。

大樹が男に体当たりすると、イィーンと高速回転したソレが、隣にいた男の靴先を割いた。

「ウワァッ・・何しやがる!!」
「何だお前ら・・っ痛ッ!!」

陸は石を男達に投げつけた。
その隙に大樹がチェーンソウを奪い、力の限り岩に叩き付けた。

四人は対峙して睨み合った。

「お前ら、どうなるか分かってんだろうな。」

作業服の男が低く唸ると、陸が応戦した。

「・・あんたらよりマシな思考回路持ってるよ。適当な施設建てて金ががっぽり?・・世の中そんなウマくいくと思ったら大間違いだ。」

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