Nostalgicな祭りのあとで
ハァハァハァッという息遣いが山を駆け上がっていた。

「マズイ、マズイ、マズイ・・」
くぐもった声で何度も繰り返す。

こんな筈じゃなかった!と教頭は心の中で叫んだ。
カラカラに干上がった喉が張り付いて、唾を飲み込むのも難しかった。

-----20分前。
ザワザワという声が大きく反響していた。

「・・日高。お前が言いたいことはそれだけか。調査した結果をいとも功績のように称えてるが、だからどうするって?お前は住民に不安を植えつけただけだ!何も知らないくせに・・他所の町で暮らしてた奴が今更何を言う!」

真山はダン!と机を叩いた。

「俺は違う。ずっと町のことを考えてきたんだ。この地味な町がもっとよくなるように。隣町もこの町も、生活が豊かになったじゃないか、俺のっ・・!」

「知ってるよ、真山!お前のおかげだってこと!」
守は叫んだ。
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