Nostalgicな祭りのあとで
観客の後ろから、たくさんの工場務めの男達が出てきた。

「会社の経営が辛くても、リストラせずにやりくりしてること。俺みたいに、困ってた奴を中心に採用してることも。皆知ってるんだよ。」

真山の動きが止まった。

「社長。」
作業服姿の老人が歩み出た。

「わしらは、本当に貴方に感謝しとる。本来なら働けんはずの老いぼれをも雇ってくれた・・・本当に有難いと思っとる。」
その言葉に賛同するものたちが一斉に頭を下げた。

「俺たちは・・アンタを告発しようとしていた。だけど止めた。」
守の同僚の新田が顔を上げながら言った。
「アンタじゃなきゃできないことがあるから。」

七菜の母と青山がやまじいを抱え起こした。

「このままじゃ山も町も死ぬ。農業がだめになった人間の生活も助けたい。お前ならどうする、真山。」
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