Nostalgicな祭りのあとで
バサ!と幕を乱暴に払いながらクラスメイトが飛び込んできた。
「おい、体育館がとんでもない騒ぎになってるぞ。」

「エエ?」

立ち見していた彼はうーんと唸った。
「大勢の中でやまじいが土下座して、隣町のゴミ処理工場社長の不正が暴かれて、校長や町長がやってきて、教頭がどっか行って・・・あっ!陸と大樹が山に行った。何かやばそうで、陸の父ちゃん達も今向かってるけど。」

「よく分かんないよ・・」
「でも、何かやばいって・・俺たちも行くか?」
「ダメ!ココにいて。」
逸る男子を七菜は制した。

「大人に任せよう。私達は祭りの準備をするの。あの二人のためにも、伝えなくちゃならないことあるでしょ?私達にできることしなきゃ。」

衣装を着込んだ勇気が皆の前に立つ。
「山神様に祈りを奉げよ?ボクのじいちゃんもよく言ってる。山神様は、子供達の味方なんだって。ね、藤崎先生。」

藤崎は頷いた。
ここにいない二人の生徒を思いながら。
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