Nostalgicな祭りのあとで
「神様、聞いて、届いてよ!」
子ども達は舞台の上で、空に向かって演奏を始めた。
届け、届け。
その思いのこもった音色は、大人達の混乱を抑え、天へと昇っていく。

守は原っぱを見渡し、土を掘る重機に飛びついた。
キーは挿さっている。
四苦八苦しながらそれを桜の前に止めると、全員を木の裏側へ潜ませた。

「父さん!」
轟音がすぐ近くの森をバキバキと裂き、ドゴォッと土の津波が現れた。

「ちょっ父さん?!」
「大丈夫だ、陸!大丈夫。」
震えながらも頑なに自分を必死に庇おうとする腕。
陸は両手を伸ばすと、父の背中をガードした。

やまじいもわが身を盾としながら叫んだ。
「大樹、わしも桜子もお前を死なせやせん。絶対にだ!」

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