Nostalgicな祭りのあとで
奇跡が生まれた夜
ドゴォオオオオン!!!

原っぱに大量の土砂が雪崩込んできた。

重機はたやすく流され桜にぶつかった。
4人を守る木がミシミシと音を立てる。
木と重機で裂かれた土砂が、両サイドを激流のごとく流れてく。
バキンッと桜が悲鳴を上げた。
誰もが死を覚悟した、その時だった。

『アナタ・・・ありがとう。』

やまじいが顔を上げた瞬間、あんなに怒り狂っていた山がピタリと静かになった。

シィンとした山に聞こえてきたのは、あの音色だった。

「・・・助かった、のか?」
守はふらりと立ち上がった。

原っぱは土砂で埋め尽くされていた。
桜の木も、無残な姿となっていた。
幹が裂け、半分折れている。

「わしらを、守ったんだな・・山神様と共に。」
「じぃちゃん・・・」
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