ドラマチックスイートハート

いや、行こう。









それでも石垣は行く事を決意した。











幸いパンクしたとこから、そう遠くはない。










と言う事で、歩いて数十分。










久々の長距離のウォーキングだが、お陰で天崎マンションに着く事が出来た。










「よいしょ……」











本当なら車の中で優雅に待ってられるのに、それが出来ず侵入禁止のポールの上に腰掛ける石垣。











来る保証もないのに、こんなとこで何してるのかと思う。











深く考えたら、携帯渡す為でもマンションの前に待ち構えたらキモくないか?




恋人でも何でもないのに。











まだ車に乗ってた方が、車内内蔵のテレビ見ながら待ってたとか、軽く捉えさせる事が出来る。









ちょうど今日はパンドラの箱の放送日だから、それ見ながらね……などと来た事自体をぼやけさせる為に話題にもなったが、今の状況はどう考えても重い。










本当に来て良かったか?

しかし……










迷いに迷うものの、そう考えても体はここから離れなかった

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