ドラマチックスイートハート
ニマッと笑うと、鋭い言葉を醸し出した。
「由奈ちゃんにフられたね。康クン~~~」
「なっ!!」
その動揺から見て分かる。
周りに聞かれなくて良かった。
「どうしてそれを!? 天崎から聞いたんですか」
ボソボソと声を小さく言うが、佐々木は内緒話とは反対に声のトーンを落とさない。
「見れば分かるよ~~~前々からね~~~」
全て分かってるのなら、話は早い。
少しだけ聞いてもらおう。
石垣はコップを片手に語り出した。
「仕方ないですよ。こっちは無名の新人。あっちは天下の天崎優。告白しても、目に見えていた事でしたよ」
「ふ~~~ん……」
佐々木は少しだけ考えて、続きを話した。
「でもね康クン。あのドラマと同じで、女の子だって逆の事を言う時だってあるんだよ~~? 様子見とか、牽制したりとか、試しているとか、いろいろあったりもするよ~~~?」
佐々木もフられた事に少し不満だ。
彼女の目からしても、天崎は石垣に対して嫌いな感じはなかった印象であるから。
だから、一回じゃ諦めるなと言いたいのだ