ドラマチックスイートハート
第3チャンネル―揺れ動く心
次の日、電話で気持ちの良い朝を叩き起こされる。
「ん~~?」
表示されているのは友人。
昔からのツレだ。
ピッ
「何だよお前か……どうした?」
向こうからは、ヤケに高いテンションが聞こえてきた。
「まーたこの時間まで寝てただろ! もう10時だぞ? 昨日見たよドラマ! ギャハハ、お前だけ何か浮いてるよな~! 俺笑っちゃって笑っちゃって」
そうか、昨日がパンドラの箱の放送日。
いつもチェックしていたが、あまりにも眠くて見忘れてしまった。
「うるせーよ。まさかそれだけの為に電話か?」
「いや、違うんだよ! あの証拠を片っ端から隠滅する犯人誰なんだよ~教えてくれっ! ナ? 今日、合コン何だよ~」
どうやらそのネタで、自分だけは誰よりも知ってると自慢する目的で聞いているらしい。
「監督にも言われて絶対秘密にしろと。――じゃあな」
「ちょっ!」
有無を言わさず、プツッと電源を切る。
朝から実に下らない内容だった。
ん……?
同じ友人から、メールが届いた。
『ヒロインに感情移入して、天崎優に手は出すなよ(^O^)笑』
……
「出すかよ馬鹿」
メールは返さず、一言携帯に向かって呟いた