涙跡-Ruiseki-
「奈央ちゃん、こっちー!!!」

ケンさんが、満円の笑みで
大きく手を振っている。

「お待たせしましたっ!!!」

短い制服のスカートを、
フワフワ揺らしながら
2人のもとへ駆け足。




アタシ…さ、
何かキャラ違うんだよね。


売りをしているときの自分と、
普通に生活してるときの自分。


普通に生活してるときって、
何となく冷めてるって言うか…



有希と居る時は、
そんなことないんだけど…。




ど田舎で、売りなんかしてたら
多分周りの人の目につくだろうけど、
都会だからかな…?

周りにそういう子、いっぱい居た。




駅前を待ち合わせ場所にする人が多いらしく、
制服姿の女子高生が何人か居て、
その女子高生の周りに、
中年のオジサンが何人か集まってた。

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