涙跡-Ruiseki-
次の日、アタシが
起きるともう、尚人は
アタシの隣には居なくて。

リビングで、制服に
着替えてた。


鍛えられた上半身に
アタシは何故か
ドキドキしたりして、
顔が真っ赤になる。


「お、起きた?」

ブレザーのネクタイを
緩めに締めながら、
アタシの元に来て、おはようのキスをする。

「お前起きるの、遅い。
…早く準備しぃ。」

キスしてくれた時の顔とは
一変して、不機嫌な態度で
アタシのことを睨む。


ハッキリ言って…
読めない奴だ。


制服を来て、髪をクシでとこうとした時
アタシの後ろに尚人が回り、
アタシの髪をクシでといてくれた。


それも、さっきの不機嫌な態度は
どっかに行っちゃったかのように
ニンマリとした笑顔で。


ミステリアスなキャラでは無いけど…
本当、読めない。

優しかったり、Sだったり。
甘えん坊だったり、素っ気無かったり。

どれが本当の尚人なのか、
全く分かんないのが本音。

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