涙跡-Ruiseki-
「ふわぁぁああ…。」

少しすると、
尚人がアクビをしながら
起き上がった。

「おはよぉ。」

ニコッて笑うと、
尚人はニヤッと口元を
不気味に動かした。

「…へ?」

「いや、お前って
デカイなぁ…って思ったりして。」

尚人にそう言われ、
初めて自分が真っ裸だということに
気がついた。

…こういうところ、
ドジと言うのか、何と言うのか。


「見んな!!!馬鹿。」

慌てて隠して、
尚人に背中を向ける。
そんなアタシの
胸の中は壊れそうなぐらいに
ドキドキしてた。

そんなアタシの状況に
気づきもしないで、
後ろから抱きつく尚人。

「…顔真っ赤だけど、大丈夫?」

意地悪にそう言い、
アタシの首筋にキスをした。


「なお…とッ!!!」

「あ?」

とりあえず、下着だけ
着ると、尚人はアタシの太ももに
頭を乗っけて
「膝枕ぁ」だとかって
太ももをなぞって遊び始める。


くすぐったいのと、
ドキドキするのとで、
アタシはもう壊れそうになっていた。



すくっと立ち上がり、
慌てて服を着る。

「…何で服着んの?」

いかにも、「不機嫌です!」って顔で
アタシのことを見つめる尚人は
何処と無く可愛かったり、
怖かったりで…。

「ん…、ごめん。」

謝るとすぐ、
アタシのことを抱きしめてくれる尚人は
やっぱりすごく可愛い。



付き合って気づいたことがあった。
尚人、甘えん坊なんだな…って。

学校での印象って、
クールとかなんだけど…
アタシと2人きりになると
有り得ないくらいに甘えん坊。


付き合う前。
同棲だけしてた時は、
そんなこと無かったのにね。


…そこがまた、
可愛かったりするんだけど。

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