a k a t s u k i
20XX年 5月23日 午前1時46分



国内でも栄えている方に分類される都市ではあるが、深夜ともなれば繁華街以外は閑散としている。

集合場所である駅前のロータリーには他の人の気配は皆無で、タクシーも停まっていない。

いるのは俺達だけ。



「遅いっ!」

そう言ったのはツバキだ。

こころなしか怒っているように見える。

「いやいや、遅くはねぇだろ。むしろ早いくらいじゃねぇか」

「僕たちはいつも1時間前には着いてるんだよ」

ツバキに反論した俺を、ケイは宥めるように言った。

「1時間前?そんな早く来て何するんだよ」

訝しげな俺にケイはにっこり微笑むと、向こうを見てごらん、と言って斜め前に向かってすっと人差し指を差した。

俺が、つ、とケイの指差す方向に顔を向けると、丁寧にも枕に頭を乗せて地面に寝そべっている女がいた。

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