a k a t s u k i
ケイは俺に気付くと笑顔で手をひらひらと振った。

「イツキも来たんだね」

「な、なんでケイがいるんだよ」

「うーん。緊急召集令が下されたって言えばいいのかな」

「緊急召集令?」

「――アカリ。もしかしてそいつのことで呼んだわけ?」

ケイの真向かいに座る女が、俺を睨みつけながら訊いた。

シンドウは苦笑しながら、どうやら寝起きで来たようだな、と呟いた。

とりあえず2人共座りなよ、というケイの言葉に、俺はケイの隣、シンドウはきつそうな女の隣にそれぞれ腰を下ろした。

俺達が席に着くと、エプロン姿も初々しい若い女のウェートレスが注文を取りに来る。

「アメリカン1つ。イツキは?」

「あー。俺も同じので」

「はい、アメリカン2つですね。少々お待ちください」

はにかむような笑みを見せ、ウェートレスは店の奥へ去って行った。

< 21 / 27 >

この作品をシェア

pagetop