a k a t s u k i
瞬時にアカリだと判明した。

これから起こる事に関して俺はあまり説明を受けていないが、大層な事であるのは理解しているつもりだ。

いつかこの3人のように場数を踏み玄人になったとしても、始まる前に“寝る”という選択肢は取らない気がする。

それにこの3人を見てると、これから大層な事が起こる、と想定する方が難しい。

新入りの自分がこんなこと言える立場にないが、こいつらは毎回こんななのだろうか?

なんというか、もうちょっと緊張感を持ってほしい。



考えていることが目に見えていたのかはたまた偶然なのかは知らないが、ケイが口を開く。

「あれがうちのエースのウォームアップのやり方なんだ。ただ寝てるわけじゃない」

「起こり得るすべてのことを事前にシミュレーションしても、しばしば無効にすることだってあるからね。頭の回転だけは保っておかないと」

ツバキが付け足した。

「ふうん。ていうかこれからどんなことが起こるんだよ」

「言ったでしょ。来ればわかるって」

「そんなんじゃわっかんねぇよ。…なあ、ケイ。教えてくれよ」

ツバキに訊いても埒が明かないと悟った俺は疑問をケイに投げかけたが、ケイも困ったように笑い肩をすくめるだけで、答えてはくれなかった。


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