まーくんとみーたん
「ふふふ、今の、なんだかカップルみたいだね。」

「何、あんたが彼女?」
 
「違うよ、おれが彼氏。」
 
全く意識してなかったけど、俗に言うカップルのあーんってやつをあたしはやっていたらしい。
 
まーくん、女友達みたいだから、全然違和感なかったよ。
 
ってか、まーくんが彼氏ってそんな、ないない。
 
あたしより可愛いのに、彼氏って。
 
あたしは、あたしより男らしくて、こう、むっさむさした感じのが好きなんだ。
 
こう、男!!って感じで、かっこいい人。
 
だって、じゃないとあたしはきっと女に見えないから。
 
「でも、みーたんかっこいいからなぁ。みーたんが彼氏でもいっか。」
 
「いやいや、あんた何言ってんの。」
 
「今日ね、みーたんに大事な話があるって言ったじゃん?あ、もちろん、みーたんに髪見てもらいたかったてのもあるんだけど。」
 
「いや、それは別にいいけど・・・。急に本題入るのね、あんた。」
 
「うん。もう、いいかなって。」
 
まーくんは、苺ショートをつつきながら、笑ってる。
 
一番大きい苺はまだケーキのてっぺんに残ったままだ。
 
まーくんは、苺を最後に食べる派らしい。
 
あたしは、中間の口直しに使う派だけどね。
 
「もう、いいって、何が?」
 
「えっとね、うん。」
 
少し様子のおかしいまーくん。
 
座り直して、最後に残してあった苺をフォークに刺す。
 
それを、あたしの方に突き出して、言う。
 
「みーたん、おれと付き合ってくれませんか?」
 
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