愛し方もわからずに。
愛し方もわからずに。
どうしようも無いくらい好きだった。
子どもな俺は愛し方も判らずに君を傷つけてしまった。それなのにごめんの一言も言えずに……
今なら言える。
「今までごめん。渚のことずっと好きだった」
でももう遅くて。
渚は別の男と付き合いだした。
切なくて。
悲しくて。
苦しくて。
俺の中で後悔だけが残っている。どうしてあの時もっと素直になれなかったのか。子どもだった自分が憎かった……
ーー△ーー△ーー△ーー
渚とは小学校の頃から仲が良かった。あの頃はただ純粋に渚が好きだった。でも中学に入ってすぐ、渚がいじめられだした。最初は心配で、無くなったものを探してあげたり悪口を言われた渚を励ましたりしていた。
俺を頼ってくれるのが嬉しくて、俺だけの渚でいてほしくて。
そんないじめいつでも止められた。でも止めたくなかった。そのうち俺が渚を好きだと噂が流れた。渚に知られるのが恥ずかしくて、
「あんな奴好きじゃない。いじめられてなく姿を見るのとても楽しいよ」
そう誤魔化した。
いじめていた奴は楽しそうに笑い俺の肩に腕を回した。そいつと仲良くなり親友になった。
すべては好きという気持ちがばれないために。