変な転校生



 ああ、また助けてもらちゃった。
 助けられるたびに自分がものすごく惨めに思える。それと同時に優介に申し訳なくなる。
「私は大丈夫だよ。ありがとう」
「いえいえ。なんかあったら俺にすぐ言えよ」
 フッと笑い私の頭を優しく撫でてくれる優介に私は少し癒される。
 そうこうしていると、担任が教室に入ってきた。
「転校生を紹介するぞー」
 みんなの視線は担任と一緒に入って来た男子に集まった。
「東間純です。宜しく」
 にこりとも笑わない純に最初は緊張しているのかな?
 みんなそう思っていた。
 しかしどんなに話しかけても、笑わない。
 話しかけても必要最低限の返事しか返ってこない。
 ”変な転校生”は孤立していたが、一人きりになることはなかった。
 何故なら純は一般的にいう女受けのいい顔だから。
 隣のクラス、ついには別の学年の女子も純を一目見ようと教室へ足を運んだ。
 そんな“変な転校生”をよそ目に私はホッとした。
 言い方は悪いがしばらくの間はみんな純に気がいってこっちに意識が向くことはないだろう。



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