僕のママ



 起きたとき、そこには誰もいなかった……。
 そうかみんな迎えが来たんだね。とうとうひとりになちゃった。
 僕はこれから誰を待っていればいいのだろう……。たくさん泣いたせいでく前が掠れて見えない。
 後ろで足音がする。
 また誰か死んだのかな。振り向いて顔を確認しようとするけれど、やっぱり見えない。
「理久……」
 僕は固まった。涙だけがとめどなく流れていく。
 声の主は、僕の大好きなママ……。
「ごめんなさい」
 そういって優しく僕を抱きしめたママ。
「来てくれて……ありがとう……」
 ママを抱きしめかえした。やっと僕も天国へいける。
 大好きなママと一緒に。
「ママ大好き!」
「ママも理久が大好きよ」
 そういって微笑むママと一緒に手を繋いで天国へ歩いた。



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