雨のち雨そして、ちょっと晴れ

待てども待てども

入学式が終わりすっかり雨は止んでいた。あの嵐がまるで嘘のように。

太陽の光に桜が照らされ幻想的な世界が広がっていた。

校庭ではクラブ勧誘が盛大に行われていた。

野球、サッカー、バレーボール…

俺には全然関係ない種目ばかりだ。

趣味と言えば深夜ラジオを聴くくらいであった。

北野誠が好きで、その影響で芸能ゴシップは人並み以上に知っている。

クラスの男子が朝の芸能ニュースで仕入れた大物カップルの破局も、雅章は北野誠ねイニシャルトークで1ヶ月前から知っていた事だった。

こんな調子だから雅章は運動には皆無であった。

そんな体育会の勧誘を他所に、雅章は携帯を眺めながら家路に着いたのであった。


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