愛、シテあげる。番外編
可愛らしく眠る彼女を起こさないように、ゆっくりベッドまで運ぶ。

別にできるだけ長い時間触れていたかったとかそういう下心は無いですよ。たぶん。



……ごめんなさい嘘です。ありまくりです。

もう心臓バックバクです。



沸き上がる衝動を抑え込み、やっとの思いで真央さんの部屋にたどり着く。


ベッドの上に彼女を静かに横たわらせ、柑橘系の色で模様が施された掛け布団を肩まで掛けた。

「……ふぅ」


理性を保つだけで、こんなに疲れるとは。


溜め息を吐きながらも、幸せそうに眠る真央さんを見て思わず笑みがこぼれた。


「真央さん、」


…好きです。



そう言葉に出すことができず、僕は真央さんの頭を撫でながら、頬に優しくキスを落とす。


「ふ……」


何度もキスをしていると、真央さんがふにゃりと笑って、くすぐったそうに身じろぎした。

起こしてしまったかな、とドキリとした瞬間。
フワッと女の子特有の甘い匂いが鼻をかすめる。
そして目の前にあるふっくらとした唇から、小さな吐息とともに紡がれた名前。





「…れ、ん………」


「……真央さん?」


「うん、すき……」


「…………え?」



いまなんて?


寝言だけど、でも、僕の名を……。


それに、す…すきって、言いましたよね?


すきって……好き?


好き!?



そのとき、僕の中で何かが弾けた。




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