愛、シテあげる。番外編
僕のせいで、もっと苦しんで欲しい。
僕でいっぱいになって欲しい。もっともっと、色んな顔を見せて欲しい。


黒い想いがぐるぐると渦巻き、真央さんが息を整えている最中にも関わらず、唇を塞いだ。


どうしてか、彼女とのキスは甘い。
甘過ぎておかしくなりそうなほどに。

僕は顔の角度を変え、もっと深く唇を重ねる。
真央さんの体が、シーツに沈み込んでいく。


――いけない。


こんなことをしては、駄目だ。



頭では分かっているのに、止まらない。脳が熱く、体も熱い。異様に喉が渇いて、無性に真央さんに触れたかった。

真央さんの何もかも全てが、柔らかくて甘くて、まるで果実のように思えてしまう。



どうしよう。

止められない。



朦朧とした意識の中で、熱を帯びた自分の手が、パジャマのボタンに掛かるのが分かった。


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