愛、シテあげる。番外編
「蓮は……」



真央さんの細い腕を掴み、そっと体から離したとき、俯いていた真央さんがポツリと呟いた。


「蓮は、私が嫌いか?」「そんなわけないでしょう」


思わず即答すると、真央さんはアルコールで頬を赤くしたまま、拗ねるようにそっぽを向く。


「でも、蓮、嫌がる」


「嫌がる?僕が?」


「くっついたら嫌がった。さっきも、そうだった」


「……え、」


さっきって、皿洗いしていたとき?


いやだってあれは、真央さんのむ、む………コホン…が、当たってたから、その……駄目だ。

……思い出すと、色々とクる。うん。


「今は言っても通じなさそうですけど、僕が真央さんを嫌いになることはありませんから」


「……ほんとか?じゃあ、なんで」


「っ!そ、れは///」


この体勢で泣きそうな目で僕を見つめないでください!


悲しいことに、体の中心が更に熱を持ってしまって、こっちが泣きたいくらいだ。僕は真央さんから目をそらし、口元を片手で隠しながら、無意識に呟いた。


「…限界…ですって…」


< 25 / 103 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop