愛、シテあげる。番外編
ぐるん、
「へ?」
気がつくと、視界が反転して、背中に柔らかいものが当たって、目の前には、
「真央さん?」
どうやら僕は押し倒されたようだ。
そう状況把握しつつも、気持ちがついていけなくて、混乱中。
だって、あり得ないでしょう?
「あの…」
「好きだぞ、蓮」
「え?」
「大好きだ」
う、そ。
さっきは寝言で言ってましたけど、今のは……。
うそ、うそだ。
あり得ない。
そう思いつつも、頭が真っ白になって、心臓がドクドクしてて、歓喜のあまり手が震えて、
胸が、痛いほど熱くて。
「僕も、好きです」
ポツリと呟いた僕に、彼女は無邪気な笑顔を見せる。
その笑顔に、僕もつられて笑みがこぼれて。
真央さんの温かな手のひらが、僕の両頬を包んだ。
そのまま、降りてきた影に目を細め、そっと手を伸ばして彼女の後頭部に回す。
左手で滑らかなうなじをくすぐりながら、右手で柔らかな頬に触れて。
熱い吐息が、唇にふわりとかかった……。