愛、シテあげる。番外編
ごちん。
「ぐ、」
彼女のおでこが、鼻にクリーンヒット。
「~~っ!」
あまりの痛みに悶え、涙目になる僕。のしかかったまま動かない真央さん。
ちょっと待て。これはない。これはないですよ真央さん。
怒ろうにも怒れず、起こそうにも起こせず、僕は唸りながら目を閉じた。
「あり得ない……」
はあ、とため息をつくと、彼女の柔らかな髪がさらりとなびいた。
「あー……、やばいな」
密着した体と、女の子特有の芳しい香りと、安らかな寝息。
真央さん。健全な男子高校生は、みんなオオカミなんですよ?
心で呟きながら、痛みで一旦収まりかけた熱が、再び蘇るのを感じていた。
ああ、生殺しなんてひどすぎる。
●だって、男の子だもん●
(ただいまー!…って真央!?)
(おかえり、なさい…)
(蓮くん!?きゃー顔真っ赤!大丈夫!?)
(小百合さん……助けて)
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