愛、シテあげる。番外編
『そんな、そのまま競うなんて言ってませんよ』


『じゃあどうするの』


『真央さんがノルマを設けて、僕がそれを達成できるかどうか、なんてどうですか?』


『却下』


スパッと反対すれば、蓮はますます笑みを濃くする。

私と話しているとき、蓮は時々、こうやって笑うんだ。


何が楽しいのか分からないんだけどさ。




『だって、点数満点&学年トップに決まってるじゃん』



『それはどうでしょうかね』



『騙されません~!』



蓮が勝ったら、ろくなことしないだろうし。変態だから。





『じゃあ、逆にしましょう』


『逆?』


『僕が設けたノルマを、真央さんが達成できるかどうか、にしませんか?』


『………ねぇ、賭けに乗らないっていう選択は無『ありませんよ(ニコッ)』



早い!

出た!魔王スマイル!



背筋が寒くなるのを感じながら言い返す。


『なんで無いの?』


『もし真央さんが勝ったら、のご褒美が、気に入らないはず無いですから』


『ご、ご褒美?』



魔王は無表情に戻る。



『もし真央さんが勝ったら、僕はあなたに金輪際、触りません』


『え!』



『ね?どうです?』



『やる!やるやる!』




『じゃあ、決まりですね』





身を乗り出す私は、このとき気づかなかったんだ。


先にその条件を聞いておくべきだったと………。















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