愛、シテあげる。番外編
「蓮」
「ん?」
「食事したとき、お酒飲まなかった?」
「んー……飲んだ」
やっぱり!
「でも、ちょっとだよ」
「まあ……仕方ないよね、お付き合いとかあるし、慣れとかないと」
とは言っても蓮はまだそんなには飲めないだろうから、無理したんだろうな…。
「えっと、ビールと角ハイと日本酒と......ワインも何本か...」
「その年でちゃんぽんかよ!もはや酒豪だな!」
ていうか昌彦さんも飲ませ過ぎだろ!
「はあ……」
全く。
早くお酒抜かないと、明日に響くだろうに。
お水を持ってこようと腰を上げると、不意に掴まれた腕。
「なに?」
平静を装うけれど、手首を掴む彼の手が熱くて、胸はドキドキと騒がしい。
「どこ行くの?」
「お水持ってくるよ」
「いらない」
「でも、アルコール抜かないと明日に」
「休みだから。
………ねえ、真央」
寂しそうにこちらを見上げる瞳にクラクラしていると、ゆっくりと腕を引かれ、蓮に抱きすくめられる。
「行かないで」
首元で響いた、吐息混じりの囁き。
加えて、薄いシャツ越しに彼の熱がどんどん伝わってきて、色んな意味で顔が真っ赤になってしまう私。
それでも蓮は私の肩に顔を埋めたまま離してくれない。