愛、シテあげる。番外編
翌日
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動けない私をソファに寝かせ、その横で頬杖をつく蓮もとい魔王様。
悔しいことに、彼が記憶を飛ばすことは無かったようで。
「ほろ酔い程度でしたから」
「ちゃんぽんしてほろ酔いかよ」
「まあ、理性が脆くなっていたのは認めますが」
すっかり元の蓮に戻ってしまった。
「最初は可愛かったのにな…」
「可愛い男が好きなんですか」
「違うよ。蓮の可愛い姿なんて滅多に見られないから」
そう答えると、蓮は何故か微笑して
「どれが好きですか」
と尋ねる。
「なにが?」
「昨日の余裕の無い僕と、欲に負けた僕と、今の僕」
「えー」
そんなの決められないのに。
「全部」
「本当ですか?」
「だって、私は蓮が好きだから。昨日も今日も、どんなになったって、蓮に変わりはないでしょ?」
「…………ほう」
満足げに微笑んだ蓮は、私の耳に顔を近づけて
「………もう一回、しますか?」
と囁いた。
「無理!腰が無理!」
「今度は加減しますから」
「そういう問題じゃ、ってどこ触ってんのー!///」
動けず逃げられない私に、覆い被さる魔王様。
ああもう、どうにでもなれ。
『こんな僕は嫌いですか?』
(…もう少し加減してほしい)
(ツンデレですね)
(違うっ!)