愛、シテあげる。番外編
――どうしよう。
私は今、コーヒーとチョコレート菓子を乗せた盆を手に、蓮の部屋の前で立ちすくんでいる。
かれこれ5分近く経っただろうか。
一向にノックをする勇気が出ない。
――コーヒー冷めてきちゃっただろうし、このまま引き返そうか。
だけど最近忙しそうだから、ちょっとくらい息抜きして欲しいし…。
で、でもでも!もし邪魔だったらどうしよう。
ていうかこうしてる方が邪魔じゃないかな?蓮は気配に敏感だから――やっぱり戻ろうかな。
その結論に辿り着いたとき、突然扉が開いた。