愛、シテあげる。番外編
少し不安になりながら蓮を見上げると、ゆっくりと目を細められて。

それが、あまりにも愛しげな視線だったから。

何かの術にかかったみたいに、その瞳から目が離せなくなる。


「寂しかったんですよね」


「…………うん」



うっかり頷いて、しまったと思っても、既に遅い。


言い訳は許さないとでも言うように、蓮が私の唇を荒々しく塞ぐ。


久々に感じる、独特の柔らかさに夢中になっていると、不意にその熱が途切れた。


「それじゃあ、行きますか」


「…どこに…?」


「このまま空港に行きますよ。他は用意させますから」


「え?なんで?仕事は?」


「さっき終わりました」


「休み…とれないって言ってた」


「今日までの話です」


「行くってどこに…」


「世界一周しましょう」



――は?


困惑する私の額にキスを落として、蓮はニッコリ笑った。



「手始めにヨーロッパでも行きますか?」






●甘えてほしい●


(まさか、オーバーワークだったのって…)
(……秘密です)



―――――


(僕の全ては、あなたのためにあるんです)
(だからもっと、僕に甘えて)



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