愛、シテあげる。番外編
「ま、真央ちゃん?大丈夫、蓮くんは優しい男の子よ?」


「いやだぁこないでー!!あっちいけぇ!!」


「……は?」




失礼な物言いに、思わずカチンとくる。初対面でこの言われようはおかしいだろう。


「真央ちゃん、落ち着いて。鈴木先生!ちょっとすみません!」

すると新たな保母さんがやって来て、女の子を抱き上げて離れた場所へ連れて行った。


「ごめんね蓮くん。びっくりしたよね」


「びっくりというより、なんですかあれは」


「うん、あの子は吉岡真央ちゃんっていうんだけど、男の子が怖いんだって。だから、蓮くんだけじゃなくて、男の子を見るとさっきみたいに怖がっちゃうの」


男の子が怖い?


「………そうですか」





幼い僕にはまだよく分からなくて、吉岡真央に対する気持ちはあまりいいものではなかった。
というか、はっきり言って興味すら湧かなかったし、友達になるなんて考えられないと思ってた。



だから、将来この子にベタ惚れしてしまうなんて、このときはこれっぽっちも思わなかったんだ。



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