愛、シテあげる。番外編
その日から、僕と真央さんは一緒に遊ぶようになった。
遊ぶというよりも、一緒に過ごすと言った方がしっくりくるかもしれない。
僕が木の上で本を読んでいると、真央さんは近くの枝に座って絵本を読んだり。
僕が黙って空を眺めていると、真央さんも黙って鳥と戯れたり。
彼女は僕の世界に踏み込まなかった。いつも静かに、気がつけば側にいた。
それはまるで、空気のように。
だから、他の人では感じる嫌悪も、真央さんなら何も感じなかった。
初めは、あんなに苦手意識を持っていたというのに。
彼女の側は、ひどく居心地が良かった。
「蓮くん」
ある日、真央さんは葉っぱをいじりながら僕に話しかけた。
「なんですか」
「呼べるようになった?」
「………いえ」
「そっか」
わたしもだよ、と目を合わさないまま呟く。
「はやく、呼べるようになりたいんですけどね」
「うん……」
簡単なこと。それはとても簡単なことなんだけど、僕たちにはとても難しいこと。
そよぐ葉っぱを眺めていると、真央さんが口を開いた。
遊ぶというよりも、一緒に過ごすと言った方がしっくりくるかもしれない。
僕が木の上で本を読んでいると、真央さんは近くの枝に座って絵本を読んだり。
僕が黙って空を眺めていると、真央さんも黙って鳥と戯れたり。
彼女は僕の世界に踏み込まなかった。いつも静かに、気がつけば側にいた。
それはまるで、空気のように。
だから、他の人では感じる嫌悪も、真央さんなら何も感じなかった。
初めは、あんなに苦手意識を持っていたというのに。
彼女の側は、ひどく居心地が良かった。
「蓮くん」
ある日、真央さんは葉っぱをいじりながら僕に話しかけた。
「なんですか」
「呼べるようになった?」
「………いえ」
「そっか」
わたしもだよ、と目を合わさないまま呟く。
「はやく、呼べるようになりたいんですけどね」
「うん……」
簡単なこと。それはとても簡単なことなんだけど、僕たちにはとても難しいこと。
そよぐ葉っぱを眺めていると、真央さんが口を開いた。