愛、シテあげる。番外編
「ねぇ、きょうそうしない?」
「きょうそう?」
「そう!どっちがさきに呼べるか、しょうぶ!」
目をキラキラとさせる彼女に、僕は微笑んだ。
「やりましょう」
「じゃあ、わたしがかったら、蓮くんモノマネやってね!」
そう言って、人の名前を出すかと思いきや、ゴキブリやらチョウチョやら、完全に人ではないものの名前を挙げる。
これは、負けたらかなり屈辱的だ。
「……じゃあ、ぼくがかったら、」
どうしようかな。
考える僕に、緊張した顔で言葉を待つ真央さん。
その顔が、その表情が、幼い僕の心に火をつける。
もっと、色んな顔が見たい。
「僕がかったら、ほっぺにちゅーしてください」
子供はみんなSだというが、僕もそれにかなり当てはまっていたんだろう。
困ったように顔を歪める真央さんに、胸が高鳴った。
「うー……」
「ぼくはモノマネしますから」
「…………わかった」
彼女は渋々頷いた。
そんなに僕にモノマネをやらせたいのかと、つい苦笑する。
ほんとは、ほっぺじゃないところにキスさせるつもりだった。
でも、それが何を意味するかなんて、幼い僕らにも理解できてしまう。
だから、ほっぺにしたんですけどね。
今思えば、この頃から僕の中に「変態」が生じたんでしょう。
将来、これが真央さん限定でムクムク育つなんて、幼い僕は知らない。
「きょうそう?」
「そう!どっちがさきに呼べるか、しょうぶ!」
目をキラキラとさせる彼女に、僕は微笑んだ。
「やりましょう」
「じゃあ、わたしがかったら、蓮くんモノマネやってね!」
そう言って、人の名前を出すかと思いきや、ゴキブリやらチョウチョやら、完全に人ではないものの名前を挙げる。
これは、負けたらかなり屈辱的だ。
「……じゃあ、ぼくがかったら、」
どうしようかな。
考える僕に、緊張した顔で言葉を待つ真央さん。
その顔が、その表情が、幼い僕の心に火をつける。
もっと、色んな顔が見たい。
「僕がかったら、ほっぺにちゅーしてください」
子供はみんなSだというが、僕もそれにかなり当てはまっていたんだろう。
困ったように顔を歪める真央さんに、胸が高鳴った。
「うー……」
「ぼくはモノマネしますから」
「…………わかった」
彼女は渋々頷いた。
そんなに僕にモノマネをやらせたいのかと、つい苦笑する。
ほんとは、ほっぺじゃないところにキスさせるつもりだった。
でも、それが何を意味するかなんて、幼い僕らにも理解できてしまう。
だから、ほっぺにしたんですけどね。
今思えば、この頃から僕の中に「変態」が生じたんでしょう。
将来、これが真央さん限定でムクムク育つなんて、幼い僕は知らない。