ななちゃん
ななの幸せは、私の幸せ。

「先生ななは」
「…はい」
医師は、私の話しを聞く体制に入る。どんな時でも真剣に聞いてくれる医師を、私は信頼している。
「ななは、自分を猫だと思っています。…おそらく、強盗に教われたショックだと思います」
「強盗に教われた、ショック…」
「ななは、自分が猫だと思いこみ、自分が傷つかないようにしたのです」

私は、本で調べてきたことをしゃべった。
医師が少し驚いた顔をした。私がこんなことを知っているからだろう。

「奥さん」
「ななをお願いしますね。先生」
私は、診察室を後にした。

ななが帰ってきたら、
ななの好きなハンバーグを焼かないと。
私は、心が躍っていた。

でも、道のりは長いのだ、
自分を猫だと思いこんだ、なな、私が支えていかなければ。


時間は沢山かかるかも知れない。
もしかしたら、一生時間がかかるかも知れない。
でも、

ななと一緒に生きていこう。









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