月luna~眠れる王子と最後のキスを・・・~
私は、最後に晃さんを強く抱きしめて走った。
なのにすごい力で止められた。
晃さんはきっといつものように何も考えてない。
・・・わかってる。
わかってるのに、私は期待してしまった。
そして一瞬、夢を見てしまった。
「付き合えないなら、止めないでください・・・」
声は震えていた。
けど期待してた。
そのまま抱きしめていてくれる事を・・・。
だけど晃さんは、私を止めていた腕をゆるめた。
さっきまで止まってた涙が一気に流れた。
私は晃さんの特別にはなれない・・・。
涙と一緒に自分が流れる気がした。