月luna~眠れる王子と最後のキスを・・・~

「今じゃないといけませんか?」


『・・できれば今がいい』

 ・・・。

 重い空気が流れる中で、私は今日迎えに来れるか晃さんに尋ねた。

 一瞬、急に話題が変わって心配そうな顔をしたけど、晃さんはうなずいてくれた。

『・・・わかった』

 車のドアが閉められ、私だけが門の前に残った。


 晃さんの話の内容は大体想像が付いていた・・・。

 きっと昨日あった事は無かった事になる・・・。


 本当は今、もう会えないと言われてッパっと終わったほうが楽だったかもしれない。


 でもだからこそ、これで話すのが最後ならここで急いで話したくなかった。


 晃さんが私の気持ちを理解しいてうなずいてくれたかは分からない・・・。

 それでも気持ちの整理の時間が出来てよかったと思った。


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