月luna~眠れる王子と最後のキスを・・・~


 きずいたらもう授業が終わっていていた・・・。

 そのせいで私はこの日、学校で何があったか全く覚えていない・・・。



 私は門前で待ってる晃さんの車にゆっくり向かった・・・。


 私が車に乗っても晃さんは朝の話の続きを始めない。


 いつものように車は静かだ・・・。


 でもそれは私の好きな、始めてこの車に乗った時のような心地いい沈黙とは違う。

 重くて、息苦しいほどの沈黙・・・。

 
 もうマンションに着きそうなのに、晃さんは無言のままだった。



 何度か朝の話の続きを切り出そうと思ったけどやめた。

 きっと後悔する事だから、自分で言いたくなかった・・・。


 マンションに着けばきっと晃さんから話を持ち出してくる。


 そんな風に思いながら車はマンションに近づいていた。

 だけど晃さんは何も言わない・・・。


「話は何ですか」

 ついに私は、自分から話すきっかけを作ってしまった。


 晃さんは少し間を開けて、屋上で話すと言った。

 私はうなずいて、窓から見えるマンションを見た。


< 29 / 110 >

この作品をシェア

pagetop