月luna~眠れる王子と最後のキスを・・・~


 ・・・。

 男は時間のことを気にしてるみたいだった。

 でもどう考えてもまだそんなに遅い時間ではない。

 なのに男は寝て時間が分からなくなってるんだろう、一人で慌ててる。


「まだそんなに遅くないと思います」

『っえ?』

 男は時計を見て恥ずかしそうにまた座った。

『でも明日学校あるだろもう寝た方がいいんじゃないか?』

「・・・もう学校に行かないからいいんです。」

 男はきっとさっきの事を誤魔化そうとして言っただけなのに、私の答えで空気が一気に重くなってしまった。

 ・・・。

『春ちゃんはこのマンションに住んでる?何号室?』

 重い空気からの急な男の質問に体が停止した。

 けど男はそのまま続けた・・・。

『何号室?』

「・・303」

『そう、明日迎えに行くからちゃんとしたくして待っとけよ』

「っえ?」
「・・・どこに行くんですか?」

『学校』

「?」

『学校まで送って行ってやる』


『あ!もしかして何か期待したか?』


 私は思いっきり首を横に振った。


『じゃあ俺も明日早起きしないといけないからもう寝るわ。おやすみ』

 男は何か勝ち誇った顔で帰って、私はまた一人で月を見てた。





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