月luna~眠れる王子と最後のキスを・・・~
『七海さんの事は?』


「・・・・・・」


『七海さんは別れないって、今は事情があって一緒に住んでないだけって』

『やり直そうとしてるんじゃないの?』



 私は美香ちゃんと話し続けた・・・。

 だから頭では分かってた・・・。


 でも気持ちはそんな簡単に整理がつかなかった・・・。


 愛人がいけない事だなんて言われる前から知ってた。

 それでも愛人でもいいと思うほど好きだから・・・。


 自分のために別れたかもしれないと思ったら、気持ちがどうにもならなくなっていた・・・。


 もう絶対に話せない、

 傍にいけない、

 と思ってた晃さんが自分の事を好きかも知れないと思ったら・・・。


 何より、

 晃さんのおかげで生きてるのは本当だったから、

 晃さんのためになら何でもできると思ってるのは本当だから・・・。


 晃さんがもし本当に自分の事が好きなら、結婚してるという理由だけじゃ気持ちの整理は出来ない・・・。



 美香ちゃんはあきれた顔で、私たちはそこでそのままわかれて帰った・・・。


< 65 / 110 >

この作品をシェア

pagetop