月luna~眠れる王子と最後のキスを・・・~

『お母さん後悔してた・・・』


 まだ完全には泣き止んでなかったけど、ある程度おちついた美香ちゃんはそう言った・・・。


「・・んぅ゛・・・?」

 まだ泣き崩れてた私は理解が出来なかったからあいまいな返事をして、美香ちゃんのほうを見た。

 そこには喫茶店で見た美香ちゃんのお父さんと同じ、複雑そうな顔をして座ってる美香ちゃんがいた。




『私お母さんに会って聞いたの、愛人作っていい事あったか・・・』


『お母さん、いいこともあったけど、悪いことのほうがずっと多かったって言ってた・・・』

『大切なものいっぱい無くしたって・・・』


『だからやっぱりあの男の人と付き合うのは賛成できない・・・』


 私はその言葉を聞いて、本当に心配してくれているんだと思った・・・。



 お母さんの浮気で苦しんできた美香ちゃんなら、結婚している人と付き合おうとした私をただ否定することも許されるはずなのに、美香ちゃんは私を分かろうとしてくれた・・・。


 私はただそれがうれしくて、始めて本当に晃さんをあきらめようと決心した・・・。


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