月luna~眠れる王子と最後のキスを・・・~
現実
「遅刻するぅー」
私はマンションの階段を下りながら叫んだ。
叫びながらその途中ですれ違う人の顔はみんな見て下りた・・・。
本当はただの偶然かもしれない・・・。
だけど、今月に入ってまだ一回も晃さんに会えてないことを私は心配していた・・・。
自分でも本当に諦めが悪いとは思う。
でも、同じマンションに住んでるはずの人に全然会えないのは誰だって不安に思うはず・・・。
あきらめたのは本当だし、それを今さら取り消す気も無い。
ただ一回も会えないことが心配なだけ・・・。
私は駅についてすぐ晃さんの事を美香に相談した・・・。
けど美香があきれた顔で、たまたま合えないだけだから心配しなくていいよとしか言ってくれなくて、私のもやもやした気持ちは消えてくれなかった・・・。
私は不安な気持ちのままマンションに帰った・・・。