月luna~眠れる王子と最後のキスを・・・~


『晃、今入院してて・・・


 医者がもう治らないって・・・




   晃が死ぬって・・・』



 私は七海さんからそれだけ聞いて自分の部屋に走って帰った・・・。

 もうそれ以上聞けなかった。


 何が起きてるのが理解が出来なかった・・・。


 とにかく怖くて逃げてきた・・・。



 嘘かもしれない・・・。

 そう思いたいのに、下で会った七海さんの顔がそう思わしてくれない・・・。


 必死で、今にも泣き出しそうな七海さんの顔・・・。


 このごろ晃さんに会ってなかったことで、余計に不安が大きくなる・・・。



 下に戻ろうかと思ったけど私には出来なかった。



 暗い部屋の角で朝になるのを待った・・・。


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