先生と生徒
「…本気、だったんだ…」
彼が行った後に一人、呟いた。
「…人の気持ちを無駄にするなよ?」
後ろから、声が聞こえてきた。
振り返ると、あの先生。
「この間、ぶつかってごめんな?」
「覚えてたんですね?」
「…一応、先生だからね?」
「……あんまり関係ない気がするんですけど」
何?この先生……
「ま、いいけど。
せっかくの気持ちにちゃんと答えてやるんだよ?」
言うだけ言って、下駄箱から離れていった。
「…何?あの変な先生…」
誰もいない下駄箱で、切なげに夕日を見た。
「…付き合って、みるかな―…?」