先生と生徒


「大丈夫です…」


「そうか、ならいいけど」

安心したような微笑み。

和也とはまた違う、安心感。


「あ、そうだ…この前は悪かったな」


「この前?」


「あー、酒井が入江先生に呼ばれてた日の放課後学習。」


「……?」


「俺が寝てた時」


「ああ…」


「まだ謝ってなかった気がするし」


「いえ、先生待たせたの私なんで…」


「ま、それでもさ?仮にも教師が居眠りってダメっしょ」




───…ダメ。
分かってる。

───…ダメ。
気付いちゃう。



────…好き。
もう、歯止めの効かないこの気持ち。



誰かが言ってた気がする。

"恋はするものじゃなくて…─おちるもの"って。


私はこの笑顔を、幼げな笑顔を見た瞬間…そう。
"おちて"しまったんだ…


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