先生と生徒
「やーだっ!じゃないだろ?翔」
優しく先生が抱き上げると、
「マキじゃないとやだもーんっ」
泣き出した。
って訳で。
「悪いな、酒井…」
私が翔くんを抱き抱えている。とりあえず、入場門行くまでは。
「いいえ…」
「にしても、本当、羨ましい」
翔くんの頬をつつきながら和也が言った。
「何がよっ」
「ほら、抱き抱えられて、さ?」
「バカっ」
「はいはい、どーせ、バカですよーだっ」
「子供みたいに拗ねてーっ」
「どうせ子供だし」
「もうっ」
「稲原も結構なヤキモチさんだな?」