先生と生徒
二人して、お父さんのほうを見る。
「あ、すいませんっ」
と、和也からパッと離れる。
「いや、こちらこそ…
朝は急いでてね…」
少し恥ずかしそうにしながらも、お父さんは、私が用意したご飯の前に座り、嬉しそうに"いただきます"と言い、食べてくれた。
和也は少し邪魔されたことに膨れていたが、お父さんと一緒にご飯を食べ始めた。
「あ、啓太、起こしてくるねっ!」
と、和也に言って、その場を出た。
二人の笑顔を見ながら。
お父さんも食べてくれて、良かったなっ
「啓太ー?起きなっ」
と、啓太の部屋を開けて、まだ寝息の聞こえるベッドに近づく。
「啓太?起きよう?」
と、啓太のほっぺをツンツンとつついた。
「…んっ」
「起きた?」
寝ぼけながらこちらを見て、一言。
「お母さん…?」